[CL #Final] Man UTD v Chelsea

シーズンの締めくくり、UEFA Champions Leagueの決勝がモスクワのルジニキ・スタジアムで行われた。対戦カードはイングランド・プレミアリーグ(EPL)の優勝チームであるマンチェスター・ユナイテッド対同2位のチェルシーの対戦であった。
近年、イギリス経済の好調さ、それに伴う外国資本の流入により、EPLの特に4強と言われるクラブはぐんぐん力をつけてきた。
実際に、今季の2チームのチャンピオンズリーグでの戦いぶりは決勝進出に相応しかったと言えるだろう。この件に関して異論を唱えるものは少ないように思える。

この対戦の10日前にEPLは全日程終了。最終戦のロスタイムまで勝ち点が並んでいたが、最後の最後でチェルシーは力尽き、2ポイント差の2位。実力的にもほぼ互角といえるチーム同士であり、特にチェルシーは既に今季銀メダルを2つも獲得していたのでこの試合には特に気合を入れて臨むと思われたので白熱の決勝戦が期待された。

前半はユナイテッド

チェルシーは直前練習でマケレレのタックルを受けたアシュリー・コールが欠場するのではないかとの噂も流れていたが、英・SKY SPORTSのビデオニュースで見る限りでは深刻な感じではなかったので楽観していた。すると、やはり予想通り何事もなく、アシュリー・コールは先発で出場した。
チェルシーはいつもと同じ布陣の4-3-3。GKからツェフ;エシアン、カルヴァーリョ、テリー、Aコール;マケレレ、バラック、ランパード;Jコール、マルダ、ドログバというメンバーで試合に臨んだ。
対するユナイテッドは、ファン・デル・サール;ブラウン、ファーディナンド、ヴィディッチ、エヴラ;ハーグリーヴス、スコールズ、カリック、ロナウド;テベス、ルーニーという布陣だった。ロナウドは苦手のAコールを避けた左サイドでの出場で、この布陣が大当たりだった。
前半からペースを握ったのはユナイテッドで、ロナウドは対峙するエシアンのボールを触れさせることなくすいすい抜いてチャンスを何度か作ったが、チェルシーの守備陣の踏ん張りの前に得点できず。

試合が動いたのは前半26分。右サイドのスローインからブラウンとスコールズがワンツーでチェルシーのディフェンダーを揺さぶり、中に切れ込んだブラウンが左足でクロスをあげた先にはヘディングが得意なロナウドが待ち構えていた。
目測を誤ったエシアンは為す術もなく、ロナウドのヘディングシュートがネットを揺すった。

チェルシーも反撃に出て、惜しいチャンスもあったが決めきれず、カウンターでピンチを迎えることがしばしば。ユナイテッド陣内深くでルーニーがボールを奪い、攻撃参加してきていたカルヴァーリョを抜き去り、一気にカウンターに。前線に残っていたロナウドにボールが渡り、チェルシーはディフェンダーが2人残っていたがあっさりと中に折り返され、2本のシュートを浴びるがツェフが連続セーブを見せてピンチを救った。

45分にはチェルシーの攻撃がようやく実り、同点ゴール。エシアンのエリア外のシュートがユナイテッドの選手に当たり、コースが変わったところをさらにファーディナンドの背中に当たり、ランパードの目の前にボールが転がった。そのボールをランパードが難なくゴールに流し込み、非常にいい時間帯に1-1の同点に追いついた。

後半は圧倒的チェルシーペース

チェルシーは後半開始からさらに攻撃の手を強めていき、ユナイテッドを圧倒。
前半はあれだけイキイキしていたルーニー、ロナウド、テベスのトリオもほとんど存在感がなくなり、誰の目から見てもチェルシーペースだったと言える。
しかし、後半から審判の不可解な判定が目立つようになり、チャンスは作れども結果に繋げることができなかった。
72分には一度はチャンスを逸したかと思われたが、ドログバがエリアの外から再びシュートを試みると、綺麗な弾道を描いた強烈なシュートは儚くも右ポストに当たってしまった。このプレーはドログバの象徴的なプレーで、0から1を生み出せるところがこの選手の凄いところなのだ。
その後も攻め続けたが、ついにゴールを奪うことは出来ずに延長戦に突入。あれほど攻めていて延長戦に突入してしまうのは嫌な感じはしたが、チェルシーのグラント監督は90分間交代せず、最初から90分で決着を着ける気はなかったようだ。

この時点でのスタッツはシュート数だけで見るとチェルシーが3倍ほど上回っていた。それなのになぜここで決着を付けられなかったか…

悲劇的な結末

延長戦はお互い疲れもあり、一進一退でどちらかというとユナイテッドのほうがチャンスの数は多かったように思える。
しかし、チェルシーは前半にランパードのシュートがまたもや枠に嫌われ、試合を決定付けることは出来なかった。

114分にボールを返すところから一悶着あり、エキサイトしたドログバが審判の近くでヴィディッチに張り手を食らわしレッドカードで退場になってしまった。今シーズン、何度も今シーズン限りでチェルシーを離れると明言していた男の最後の姿がこれとは、応援していたファンに対して最後まで裏切り続けた結果になってしまった。
勝負は120分終わっても決着がつかず、PKまでもつれ込んだ。

先行はユナイテッドで、お互い2人目までは全員成功した。
ユナイテッドの3人目はロナウドだったが、フェイントをかけすぎて逆に自分のタイミングを失ってしまい、ツェフに完璧なセーブをされた。そしてチェルシーは3人目のランパードが決め、その後お互いが決め続け、4-4でチェルシー5人目のキッカーのテリーに順番がまわってきた。
決めれば勝ちという状況でキャプテンのテリー。延長戦ではギグスのツェフがいないゴールへの決定的なシュートを頭でブロックしていた。退場したドログバに代わり、5番目のキッカーに名乗り出たテリーがここで決めれば大ヒーローだったが、軸足を滑らせてしまい、無常にもボールをポストを叩いて外れてしまった。
最終的にアネルカがPKをセーブされて、チェルシーの冒険は終幕した。
そしてユナイテッドは9季ぶり3度目のビッグイヤーを獲得し、全日程を終えた。

総括

チェルシー側に立って見ると、本当に残酷な結果となってしまった。ここまでチームを支え続けてきたテリーがPKを失敗してしまい、流れが変わってしまった。ただ、試合内容からするとPK戦までもつれこむような試合ではなかったし、決定力というか枠内シュートが少なすぎた(UEFAのデータによると18本中3本)のが命取りとなってしまった。

グラント

また、監督の采配にも相変わらず疑問符がつく。このグラント監督は拮抗した試合では必ずと言っていいほど動かない。リーグ戦でもそれが優勝の行方を分けたということを覚えていなかったようだ。
準決勝のリヴァプール戦でも例に漏れずほぼ動かなかったが、この試合は延長戦で2ゴールを決めて、決勝進出を決めたので、この試合もそうなると考えたのだろう。また無理やりな3トップも機能しているとは言えず、アネルカは最悪ではなかったが、試合の流れを変えるような仕事はできなかった。

最後の選手交代にしても、出てきたベレッチは2番手として確実にPKを決めたが、ある男を投入することが一番効果があったかもしれない。その男とはクディチーニである。この試合でもピンチをグッドセーブで防ぎ続け、ロナウドのPKを止めた偉大な守護神ツェフに対して失礼な話であるとは重々承知ではあるが、ツェフはPKが得意とは思えない。
しかし、クディチーニは現在の総合力ではツェフより劣っているかもしれないが、ことPKに関してはリヴァプールのレイナに勝るとも劣らない安心感がある。実際クディチーニは過去にアンリやファン・ニステルローイなどのPKを度々防いでおり、ゴールを決められたことが記憶にないくらいである。

審判

この日の審判については、かなり文句を言いたい。特に後半のユナイテッドのエリア側の副審は誤審しかしていなかったし、主審自体も間近で見ていたのにチェルシーのGKをCKと判定する場面があった。また、延長戦でアネルカがドリブル突破をはかり、ヴィディッチがスライディングで止めたシーンでは明らかに悪質なファールなのに、一瞬笛を吹こうか悩んだようなタイムラグがあった。また、後半ではエリア内で一歩間違えばノックアウトされるようなファーディナンドのハイキックがジョー・コールの顔をかすめたが、何のファールもなし。逆にその後不可解なハイキックや足の裏を見せたとしてチェルシーのファールをとられる機会が増えた。
実はこのリュボシュ・ミヘルという主審は03/04シーズンの対リヴァプール戦の疑惑のゴールのときの主審だったのです。

雑感

結局、チェルシーはUEFAに嫌われているので勝てなかったと言う印象。もちろんチェルシーが勝てなかった原因は他にもあるとは思うが…
ただ、選手たちは胸を張ってイングランドに帰り、この辛い結果を胸に来季再びこの決勝の舞台に立てるように頑張って欲しい。
多少、チームの構成に変化はあるだろうが、大きな間違いさえしなければチェルシーには頂点に上り詰めるだけの力はあると思う。

最後に。私はチェルシーの偉大なキャプテンのジョン・テリーをより一層、支持し続けます。

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londoner25 at 2008年5月22日(木) 20:58:05
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